2008.05.18

さそうあきら『マエストロ』全3巻

◆およそ4ヶ月ぶりの更新。カラ元気を出す気力すらない日々、って感じだが、グチり始めてしまうとキリがないのでおいといて。5日前の休日の日記から。たぶん今年初の街中でタワレコ→書店Lコース。さそうあきら『マエストロ』第2、3巻をやっと入手。

えーと、完結を知ってから無事入手するまでのドタバタは、グチり始めてしまうとやはりキリがないのでおいとくが。

まあ、ここ1年以上、まともにマンガを読めてない中で、完結間もない(でもないけど)状態で読めたのは幸いだな、と。つか、限りなく廃墟に近くともこのブログを閉鎖してない以上、ここで書かねばどうする、と。


■さそうあきら『マエストロ』全3巻(双葉社)、素晴らしい。以下、微妙な展開バレあり。

不況のあおりでスポンサーが撤退、解散が決まったばかりの名門オーケストラに、怪しげな再結成コンサートの話が舞い込む。再結集したメンバーを待っていたのは、町工場を改修した劣悪な練習会場と、名前を聞いたこともない胡散臭い老人指揮者だった。しかし、老人がいったんタクトを振ると、その不思議な迫力によって、オケはこれまでにない極上の音を奏で出す……。

かつて『神童』で、天才ピアニストの「音」を、多彩かつ斬新な表現でコマの間から立ち上らせたさそうは、その蓄積を存分に生かしつつ、音色と人生が結びついたオケのメンバーのエピソードを丹念に積み重ねていく。(だからこそ、クライマックスの演奏シーンは感動的だ。)

だが、この作品の白眉は、そのあとに来る「真のクライマックス」にある。すべての謎が明らかになり、そして…。これ以上のネタバレは避けるが、一点だけ。そさうは、バストアップの表情と台詞で勝負する、いわゆる「顔マンガ」の流れとは遠いマンガ家だが、衝撃と緊迫の果てに持ってきた、あの表情。あれだけのバストアップが描けるマンガ家が、いま、果たしてどれだけいるか。

極上の芸術と、生。至高の美と、死。古来より繰り返し取り上げられてきたモチーフの、ここまでの昇華。『神童』に続く、いや、完成度で言えば『神童』をしのぐ、音楽マンガ史上に残る傑作だと思う。

なお、担当編集者は、こうの史代に『夕凪の街』を描かせた双葉社の染谷誠。雑誌連載からWeb展開に移った経緯や理由は詳しく把握していないが、紆余曲折があったと想像されるこの作品に寄り添い続けた彼にも、心からの拍手を。


□その他、前回の更新以降に読んだ作品がないわけではもちろんないけれど、また次の機会にでも。次っていつだよ、といういつもの自己突っ込みは、まあ、あれとして。以下、その他、前回更新時からの近況。

えっと。読んだり観たりした作品の、単なる列挙というのは、ネット資源の無駄遣いに過ぎないと思ってはいるのだけれど。まあ、「新書○冊」とかだけじゃ、どんどん忘れてっちゃうし。2月頃から読後にメモする習慣を付け始めたので、とか言い訳しつつ、以下、読んだ活字本。<続きを読む>で。漏れはちょこちょこ有り。おおむね時系列。

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2008.01.24

いろいろ。という以外にタイトルの付けようがなかったり

■たまに、見習いたいものだとつい思ってしまう人柄の良さと、仕事の能力が全く比例しない後輩の仕事を、余計なお世話ながら強引に手伝って午後8時過ぎに仕事終了。ダッシュで帰宅して近所の大型書店のDVD新作コーナー。一歩遅かった。「天然コケッコー」のDVD初回特典版、売り切れ。発売開始から1日遅れただけなのに。

と、いきなり1ヶ月ちょい前の昨年の日記から始めているわけだが。

しょうがなく車で30分、深夜までやってる別の郊外型書店。棚には残り2巻だけ。何とかゲット。ふう。相変わらず仕入れの見通しが甘いな、F書店系列。


■「天然コケッコー」特典版の最大のお目当ては、渡辺あやによるメイキングなわけで。

あれもこれもと詰め込みたくなるところを、主役の若い2人の一種の「成長物語」にぐぐっと絞り込んで、出色。山下監督、なかなか意地悪な演出するのね。くらもちふさこのインタビュー映像ももちろん貴重だが。ともあれ、このためだけに特典版を購入する価値はある、と言える出来だと思う。


だらっと大晦日のテレビ観て、年明けの読書第1発は、宮部みゆき「楽園」上下巻。元旦午前7時過ぎ、読了。


□つか、ここの文章は、めんどくさいのでひたすら一つのテキストファイルに加筆して、新しい分をコピペでアップしてるわけだが。さっき開いたら、長文が未アップのままなのに気付いたわけで。

まあ、いまさらな内容もあるし、ほっとく。つか、諸星大二郎『海人記』復刻版の素晴らしさについて、力いっぱい語ろうと目論んだのはいいが、その他別の日記をまず片づけとこうとあれこれ書いてるうちに力尽きていた模様。あ、映画化前の業田良家『自虐の詩』について、暑っ苦しい文章を書いてるなあ、中途半端に。まあ、深すぎる感動を、じっくり書き込めるほどの体力は既になくっているのでしょうがない、とか言い訳する方向で。


□先日、近所のシネコンで会員カードのポイントを端末でチェックしたら、昨年1年で1600分ちょいしか映画観てないのが判明してさすがにショックを受ける。

ここで一番本数は観てるわけで、他館を合わせても年間せいぜい30本しか鑑賞してないと推察されるわけで。いくらプライベートな時間が圧縮されてるとはいえ、マニアと言えるほどの映画好きでもないとはいえ、それはさすがにどーなのよ、と。


■さて、本日(正確には昨日)の日記。単休。夕方の所用終え、メシ食ってから近所のシネコン。待ち時間のない「銀色のシーズン」。

例によって事前情報ほぼ無しで、最初の1分で、あちゃ、外した、と。スタント使った空撮シーンのつなぎミス(としか思えない興ざめシーン)でいきなり脱力。んで、そのまま醒めてても時間もったいないので、「いいとこ探し」モードで頑張ったわけだが。

スキー場を舞台にした一種のアクション映画なわけで、筋立てには少々無理があるけどそれを爽快なアクションでぶっ飛ばしてくれればまあいいわけのだけれど。うーん、ノレない。瑛太は割と好きな俳優だけれど、主役はまだどうなのかな…みたいな。まだ、陰のある役どころの玉山鉄二のほうがちょっと印象に残ったような。

結論:ポイントで無料鑑賞したけど、時間の無駄だったといえなくもない。

蛇足:國村隼マニアは必見……でもないか。


■帰途、口直しに評判のいい「キサラギ」、DVDレンタル。

なるほど面白い。ツイスト&ツイスト&ツイスト。原作小説は未読だが、脚本もいいんだろうな。そろそろ名優と言われていい域な感じの香川照之に、塚地武雅、小栗旬、小出恵介、ユースケ・サンタマリアとおいしいメンバー。これで密室劇をやっちゃう、という何げな贅沢さ。

実のところ一番地味な役どころの小栗旬を、クライマックス後の一瞬のワンカットで際だたせる演出。なるほど、序盤の伏線をここで生かしますか。うまいね。
佐藤祐市監督の前作は、カーリング少女4人の物語を直球演出で描いた「シムソンズ」。そのときは、TVの青春ドラマでの蓄積を生かしただけかなとも思っちゃったが、こんな作品も撮れるんだなあ。今後の作品にも期待したいかも。


■ついでに、レンタル日記おまけ。未アップ分からコピペ。「しゃべれども しゃべれども」。

子役もいいけど。
美人なのに分愛想で相当な口べたのヒロインってかなり難しい役だと思うのだが、香里奈はかなりうまく演じてたような。演技力なのか、単にハマリ役だったのか。

佐藤多佳子の同名原作小説には、相当魅力的な大物落語家が出てくるのだが、そのエピソードをばっさり切り捨てたのは正解。クライマックス部分の「改変」も、映画的には成功してたような。落語ブームと佐藤多佳子のブレークという僥倖がなければ決して商業映画化などされなかったであろう地味目の原作を、しっかりと地味な佳作に仕立てた平山秀幸監督の力量はさすが。ぶっちゃけ、エンタメ的な面白さだけで言えば、原作より上だと思った。


■調子に乗って久々の空手形予告変。ちょっとだけ。

「チームバチスタの栄光」。予告のこの盛り上げ度から予想して、イマイチな出来、きっと。原作の男性主人公を女性に変えるのはアリだと思うけれど、もう一人の主役、また阿部ちゃんかよ、みたいな。竹内結子の演技以外に見どころがない気がする、おそらく。

「陰日向に咲く」。西田敏行、三浦友和、宮崎あおい、岡田准一。さらに緒川たまき、平山あや、伊藤淳史。大作映画でもないのに、こんだけ主役級揃えて、まあ、いい時代になったもんだというか何というか。原作小説はなかなか映画映えしそうな内容だし、そんでこんだけのメンツそろえて、もしつまんなかったら、それはそれで大変なことで。邦画バブルの「終わりの始まり」になるのか?みたいな。いやまあ、大丈夫でしょう、きっと。


□と、映画話題ばかりだが、そもそも本来マンガ日記なわけで。
つっても、ここさいきん、つか、半年以上まともにマンガ読めてないわけで。『PLUTO』4巻も5巻も、まだビニールすら剥いでない、てのはどーなのよ、と。

単行本で追っかけてる作品も、段々、いったい何巻までフォローしてたのか判然としない状態。たまたま書店で新刊を見つけたら、あいまいな記憶を元に、えいやっと併せて最近数巻をまとめ買いするしかなく。ビニール封入は、こうゆう読者には極めて不親切な仕打ちなのだが。まあ、文句は言わない。

■と、愚痴ってても仕方ないので、2巻と3巻を一緒に購入した、よしながふみ『大奥』について、少し。

導入編とも言えた第1巻から、いよいよ本編へ、といった趣。読ませますな、さすがに。人物造形が深くてうまい。1割5分くらいマジで思うのだが、これ、大河ドラマでやんないかね、NHK。視聴者からは非難囂々だろうけど、視聴率は結構あがりそうな。つか、自分は観てみたい。歴史上の「英雄」を次々「いい人」にしちゃうような「時代劇風現代ドラマ」はもういいよ。ってここ10年以上自分は観てないけど。


□自分で自分を蹴り上げてあげたいほどまとまりのない文章を連ねていたら、そろそろ力尽き掛けてきたので、前回更新時からの近況記録。あら、5ヶ月経ってますが。ああ、またコメント放置状態になってた、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。って3回重ねりゃいいってもんじゃないけど。

映画は本数不明。10本から20本のあいだ、せいぜい。

小説はちょこちょこ。数十冊レベル。

新書は結構。小説と併せて新規購入本棚が7割埋まったんで、30-40冊かな。週に1冊以上は読んだ気がする。

CD10-20枚、たぶん。聴けたのは半分弱、たぶん。

DVDはセット中心に20-30枚。

肝心のマンガは……読んだ記憶がほとんどない……超ダメじゃん。
マンガ喫茶にはたぶん一度も行ってない。

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2007.08.24

「天然コケッコー」とか。

■たまにはブログでも書くべかな、とエディタを開いたりしているわけだが。たまにはっつって、数えたら16ヶ月ぶりなわけで。廃墟を通り越して廃棄物処理場状態(なんだそれ)みたいな。こんな状態でも、マメにトラバを下さってありがとうございます、英語サイトの方々。英語力にも自信がないうえ、あまりヒマがないもんで、きちんと読めず失礼しておりますが、素敵な商品を世界に販売されているようで、何よりです。つか、いちいちアクセスして消すのめんどくさいんですけど。

こちらからリンク貼ってる他ブログどころか、ネットそのものにアクセスをほとんどしてないような気もするけど(仕事に必要なものは別にして)、遠い昔にはマメに覗いてくださる奇特な人々が若干名いたような気もするので、ちょっと呼びかけてみたり。みなさぁぁん、おげんきですかあぁぁ。あ。はい。誰もいませんね。よかった(違)。

ま、地味な消耗戦を戦っているばかりで過ぎゆく日々な気がするここ1年余り。数年前と比べれば確実に疲労度とプライベート時間との反比例の指数曲線が等比級数的に暗号化のレベルを上げているわけで。何言ってるか分かりませんか。私ももちろん分かりません。テキトーに書いてるんで。

と、まかり間違ってアクセスしてしまった人はすっかり振り落とせた(違)ところで。ちょっと日記的なナニを。


■1ヶ月ぶりの連休の2日目、夕方からやっと動き出して、街中外れの劇場に久々。やっとのことで「天然コケッコー」。

作品に触れる前に、無い物ねだりの愚痴を。

デビュー間もない頃(のはず)の長沢まさみが、どんな役をやりたいか聞かれて答えたのがこの作品。当時は映画化の動きは(少なくとも一般に知られているレベルでは)なかったのだけれど。「美少女の自覚のない純粋でちょっとトンチンカンな女の子」という右田そよの役は、10代終盤の長沢まさみにぴったりだったと今でも思う。観たかったなあ、長沢主演の「天然コケッコー」。

さて。


■「天然コケッコー」は、たしか昨年の制作会見の報道で、プロデューサー根岸洋之、脚本渡辺あや、監督山下敦弘という面子を知った時点で、百点満点級の傑作を期待、というより勝手に確信していたのだけれど、その予測は見事に外れた。100点なんかじゃ足りねえよ、せめて120点は持ち点もらわないと、みたいな。

くらもち作品としては異色とも言える『天然コケッコー』は、とても乱暴に言ってしまえば、ほとんど何にも起こらないお話だ。ディテールはもちろん素晴らしいけれど、逆に言えばディテールしかない。ちょうど、森の木漏れ日の中で、遠くの鳥の羽ばたき音を聞きながら、のんびり立っていると、つい深呼吸してしまって満たされてしまう、みたいな、そんな作品(下手なたとえだな)。渡辺脚本も、山下演出も、その本質を十分咀嚼した上で、世界を作り上げている、と思った。分校の7人を軸にした小さなエピソードを効果的に積み重ねつつ、本当の主役は彼らを包む「空気」、みたいな。

以下、パンフが売り切れていたので、すべて記憶のみで断片的な感想とか。

・冒頭からタイトルが出るまで、何の捻りもない、ド直球の3カット。いいなあ。あまりに平凡な田舎の風景。「リンダリンダリンダ」では、山下監督は(結果的には)不要とも思えたシーンを冒頭に置いていたけれど。

・以前にも書いたとおり、くらもち作品の主人公は、周囲からずれて(浮いて)いるのが特徴なのだけれど、主役の夏帆は、その浮きっぷりをきちんと演じている。

・原作のラストを読んだとき、なんとなく「あぁ、小津だなあ」と感じ入ったのだけれど、この映画ではまた別の味わいのある小さな仕掛けを持ってきた。最後にきっちりと「自分の作品」の刻印を押すところが、監督の才、というところか。


ともあれ。

押しつけがましい感動とは対極にある、ただ映像を前にしているだけで幸せに満たされる121分間。今後10年、20年と、ひそやかに愛され続ける名作だと思う。


□以下、近況。つうか、記憶を元にした16ヶ月の記録。記録にもなんないか。

映画は月に数本ペース。DVDはドラマ中心に数セット。

マンガは読めてない。ダメじゃん。マンガ喫茶は季節に一回ペース。つか、発売直後に買った『PLUTO』第4巻のビニールをはがすのはいつになることやら。

活字本ばかり読んでいる気がする。つか、ベストセラーばかりな気がするのが何とも。つっても月に10冊弱ペース。

昨秋あたりに更新するための雑文を結構連ねたのが、PCに保存はされているものの、なぜだか更新していない。

プライベート的には何かそれなりのことがあった気もするが、次の機会にでも。つか、次がある保証はないけど。

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2006.04.20

いまさら『大奥』とか

■世にあまたあるという廃墟ブログのひとつになりつつあるわけだが。

とか書き出してもほとんど誰も読んでないだろうと推察されるわけだが。それが廃墟。咳をしても一人。関口宏も一人。劇団ひとり。だから何。

会社の拘束時間は確実に月に数十時間単位で増えてるし、まともに本屋に行けたのもここ3ヶ月で数えるほどしかないし、たまに行くとあれこれ買い込むのはいいが暇はないので積ん読本と積ん聴CDが山のようだし、高度三千メートルから見れば人がゴミのようだし(異)、久々に書いてるんで何か疲れるし。

以上、どーでもいい愚痴、終了。

あ、コメントいただいてた方、放置状態になってしまってすんません。ってまたもここで謝ってるわけだが、ふと見るとRECENT COMMENTの欄が空白になってる罠。ありゃ。


■それなりに書くことがないわけではないが、つか、ちょこちょことなんやかんやと書いたりはしてて、まとめる時間がないわけだが。

まとめるも何も、いつもだらだら書き流してるだけじゃん、というまっとうな突っ込みは、まあその。

というわけで、以下、何ヶ月前だか分からない時に書いてたマンガの感想など、蔵出し系で。ちょっとだけ。

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■鈴木マサカズ『ぶら侍』第1巻。

たいした目的もなく旅を続ける食い詰め浪人と、百両の賞金がかかる謎めいたお尋ね者を軸にした時代劇。物語は2人の出会いから動き出す。

脱力系なのかマジ系なのかよく分からない混沌から、物語がじわじわと立ち上がってくる様はなかなかに刺激的。1巻ラストに代表されるヒキもいい。そのヒキが、確かな勝算に基づいたモノなのか、作者が自分を追いつめるように絞り出したものなのか、よく分からないけれど。


■よしながふみの、さして熱心な読者ではなく、初めて読んだ彼女の作品はテレビ化もされた『西洋骨董洋菓子店』(新書館)全4巻、それもテレビ化後なのだけれど。

よしながふみは、知ってる人は知ってるとおり、ソレ系の世界をかなり長く描いてきた人で。初読の感想は「うまいし面白いんだけど、別にゲイが出てこんでも…」という、おそらく過半数の男性読者が抱いたと想像される(根拠無し)もので、まあ、男色についてはそういう人々の置かれた現状とか歴史的なものはともかく、個人的にちょっと不幸で不快な体験もあったりして、要はちょっとヒクって感じがあったわけだけれど。(最近刊の『愛がなくても喰ってゆけます。』(太田出版、全1巻)はかなり楽しめた)。

『大奥』は、謎の疫病で男子人口が激減し、男女の役割がひっくり返ってしまった江戸時代、というなかなかに思い切った設定のSF時代劇。社会の中枢を担うのは当然女性。ただ男性が女性の4分の1しかいないので、結婚できるのは一部の特権的な女性だけ。その他の女性は遊郭(当然男しかいない)へ行き、性欲処理だけでなく「種の植え付け」をせざるを得ない、そんな世界。とうわけで「大奥」には、あちこちからかき集められた美形青年がうじゃうじゃと揃い、将軍からの夜のお招きを待っている。
という世界であるわけだから、男色が出てくる「必然性」ってヤツも非常に説得力を持って存在するわけで、その手の世界に抵抗ある人でもだいたい安心(違うか)。

男女の役割が全く逆の世界、という設定は、たぶんSFなどでは結構あると思われ(よく知らんけど)、記憶では20年くらい前、石坂啓が『安穏族』の短編でやっぱそういう世界を描いていた(家庭で「旦那」の帰りを待つ典型的な「主夫」が、複数の女性からレイプされた後、「旦那」から罵倒されるシーンは印象的だった)。

さて1巻。序章的な(はずの)第1章は、巧みな人情話。男と女をひっくり返すと、ありがちな人情話の趣が変わってくるのが面白い。第1巻後半から入った新章はまだとば口っぽいけれど、忘れられつつある「男が社会を支配した古の世界」の秘密を将軍吉宗(当然女)がたどり始める。それにしても、吉宗、かっけーな。今後の展開が非常に楽しみ。

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□以上、自分で久々に読み返しても今さら感が否めないアレだが、ま、ソレはソレということで。


□あと記録系。ここ三ヶ月の購入とか。

マンガ20-60冊。小説系数冊(完全未読状態、のはず)。新書系十数冊(数冊読んだような)。映画10本ていど。CD10-30枚。前回のアバウトさを超すえーかげんな数字だが、記憶頼みだとこれが限界、てことで。

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2005.12.02

なつやすみのにっき

◆やっと長期休暇に入ってるわけだが。

会社の制度的には夏期休暇という扱いになるわけで、この年の瀬になって夏休みだなんて何を今さらサラ・コナー(T1)。とはいえ、カイシャが黒と言えば白いモノも黒、というのが正しい社畜としての道であるわけなので、目を閉じてエンジョイ・サマーライフと3回唱えてみると、おぉ、なんだか段々空気があったかく。つか暑いぞ。上半身ハダカになってベランダに出ても、へいっちゃら。ぶへっくしょいっ。

ベタなギャグはおいといて。とりあえず休暇は、のんびりと懸案の部屋の模様替えに取り組みつつ、合間に自作フリーソフトも久々にバージョンアップして、最後はちょこっと小旅行でも、とか目論んでいたのだが、何もしないうちにもう後1日しか残っていないという罠。

ていうか、明日こそは早めに起きて部屋の片づけから、とか思いつつ、毎晩遅くまで本読んで、毎日アホみたいに寝倒して、のそのそと起き出して取りあえず映画観に行って、と繰り返してたら、ほかに何もできゃあせんがね、みたいな。


まあ、今回のお休みまで、なんでこんなに仕事が集中しますか的な日々が続いていた気が気のせいではない感じだったり、いかにもしんどそうな業務が予想通りしんどかったり、しんどいけど楽しそうでもある業務が、前者のみ予想通りだったりしたので、まあ、だらだら過ごすのも仕方がないかな、と、自分を甘やかすところから堕落が始まるのだよ明智君(誰)。とりあえず、前回の更新直後にいただいた幾つかのコメントについては、完全に放置プレイ状態になっていたことをここでお詫びいたします(つかここでまとめて詫びるなよ。すんません)


で、ここ数日の行動記録。映画3連発とか。


◆休みの前日、深夜の帰途に、自分へのお疲れさんも兼ねて近所のファミレスでビール。

会社の先輩に小説本を貸したら、同じ小説家の短編集付きで返却されたので、それを読みつつ。面白いけど、なんで最後がスカトロ。いいけど。つか、リアルなソレ系シーンを読みつつ、むしゃむしゃと野菜サラダを食べてる自分は果たして人として正しいのかどうか、とか。


■近所のシネコンに3夜連続出撃。1発目は「ALWAYS 3丁目の夕日」。

舞台となった昭和33年(1958年)はさすがにまだ生まれていないし、そもそも東京生まれでもなく、東京タワーに思い入れもないんで、その分、擬似的ノスタルジーにたっぷり浸れた。誰も死なず誰も不幸にならないけど泣ける系。とりあえずずいぶん前の予想(リンク貼るの面倒くさいんで貼らないけど)があまり外れてないようで安心。CG含めた特効はお見事で、さすが山崎貴。

結論:小雪がいい。純な はすっぱ。

蛇足:堀北真希がいい。純オブ純。


■2発目。「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」。

ぶっちゃけ、今後のストーリーに興味はあまりないし、魔法シーンを中心にした特効にも飽きてきたのだけれど、まあ惰性で。詰め込み過ぎな弱点は変わらず。

というような人間にとっての見どころは、本筋と関係あるのかないのかよく分からないダンス・パーティーのシーンだな、やっぱり。段々とオトナになっていく彼らと彼女。「青春物語」として観ると、一番輝いてたのは、やっぱ彼女かな、と。

結論:ハーマイオニー。

蛇足:ハーマイオニー。


■3発目。「チャーリーとチョコレート工場」。

ほぼ全く予備知識なしで観たけれど、ダメ。観て後悔。好きな人は好きな世界だろうけれど、このブラックさ、言い換えると「悪意」は好みじゃない。そいえば同じティム・バートン監督の「バットマン」も好きじゃないんだよね。

結論:特にない。


■ マンガから幾つか。豊田徹也『under current』(講談社)全1巻。谷口ジローのやたら力の入った帯推薦文にひかれて買ったが、いい。新人らしいけれど、達者な人だな。

主人公は銭湯の跡継ぎ娘。数ヶ月前、一緒に切り盛りしていた旦那が謎の失踪を遂げている。そこに謎めいた男が銭湯組合の紹介でやってくる…というところから始まる話。コマ割りに初-中期の大友克洋の匂いがする、とか、主人公の若妻の表情が幸村誠が描く女性にタッチが似ている、というようなどーでもいいことはともかく。地味な(そして実は深い)話を、小さな謎もちりばめつつ、読ませる力量はなかなか。うまい。


■お待ちかねの太田垣康男『MOONLIGHT MILE』最新の第11巻(講談社)。以下、ネタバレあり。

月面基地でヒロインを強制堕胎させようという米軍陰謀編は一段落。細かいとこだけど、米軍の隠蔽工作空しく発覚した、ヒロイン妊娠を伝えるテレビ画面のキャッチコピー「AMERICA UNDER ATTACK」は、記憶によれば米中枢同時テロ発生直後のCNNのキャッチ。これは確信犯だろうね。後半は、主人公吾郎が、アメリカの力を借りずに何と国産H2Aロケットで月面基地を目指しはじめる、という、まるでコマの向こうから「地上の星」が聞こえてきそうな燃える展開。ただ、そこでもきな臭い背景を匂わせているところがこの作品の深み。


■その他。

マンガ購入10-20冊(ってあいまいだな…)。小説4-6冊読了。新書2冊読了。CD8枚(だっけ)。


□ついでに、前回更新時から。

マンガ購入数十冊。小説10冊くらい。評論・新書系十冊くらい。CD30枚くらい。って「くらい」だらけじゃ日記の意味が無いような。ま、いっか。


久々の更新の割にあっさりめ(当社比)な気もするが、思い出したら補足的にまた。とか言いつつ、次の更新はまた当分先になりそうな。目標は、年内にもう1回くらいは、てとこで。

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2005.11.02

あの日々はもうカエラない、とか。だら×3。

◆重ねた経験に応じて責任も増す、というのは分かるのだけれど、問題はその「責任」の方向性がどうなのよ、と。

もっと違う形の責任を取らせていただいた方が、カイシャのためにもワタクシのためにもなるのではないかと愚考するのですが。あー、めんどくせー。

意味不明な愚痴、終了。


と、ずいぶん久々な更新になってたりするわけで、まあ、いったい誰が読むんだか、てな気もするが。とりあえず最近のことなど。だらだらだらっと。


■仕事帰りにコンビニで「アクション」最新号。

久々巻頭カラーの中島かずき×赤名修「闇鍵師」、新章突入。そろそろ2話完結のお約束展開から外れてきてほしいとこなんで、どこまで展開してくれるか、それなりに期待しつつ。

やっと本線の「義妹との不倫」に突入した国友やすゆき「幸せの時間」。さいきんだいぶ枯れてきたのかなあとか思ってた国友だが、これでもかこれでもかとドロドロな設定を繰り出して快調。

ハゲタカファンドもの「CASH」それなりに読ませるのだけれど、清水洋三のシャープな絵柄のファンド社長のセリフ回しが、まんま「ナニワの帝王」なのがなあ。いくら原作が天王寺大とはいえ。いいけど。

再び登場の武富健治「鈴木先生」後編、第1弾ほどのインパクトはないけれど、悪くはない。つか、さりげに今後のシリーズ化をにらんだようなネタを蒔いてますが。

もしかすると森下裕美の新しい代表作になるのかもな予感も漂う「大阪ハムレット」、第6話は、女の子になりたいヒロ君が再び登場。いいっすね。

ここ数話、何げに急展開なこうの史代「さんさん録」。4ページ目、フラッシュバック的に挿入される横長コマが絶妙。確か2話前の確か5ページ目(つか確か確か言う前に確かめろよ自分)が素晴らしかったな。「意外な事実」を提示するコマから縦に3コマつるべ落とし、そして左に得意の俯瞰シーンの縦長大ゴマ。うまいよねえ。快感。


■休みの日はアホみたいに寝倒すのが通例なのだけれど、珍しく早めに目覚めた昨日の休日、昼飯食って、服買って、映画観て、PC用品買いだめして、ちょっと遠出してメシ食いつつ本読んで、CD買って、と10時間うろうろしたり。

映画は近所のシネコンで、レイトでないので、溜まったポイント使おうと思ったら、メンズデーだそうなので1000円払って「SAW2」。

この手のエグい系は好きじゃないし、前作は体調不良で全然ダメだったのだけれど、なんか、つい観てしまったが、エグさはパワーアップした感。ま、前作を楽しめた人にはそれなりに楽しめるのでしょうが。


■もちっと前の休日だか比較的仕事が早く終わった日だか。本年ご当地映画の第3弾(「横川サスペンス」入れると第4弾か)、「CUSTOM MADE 10・30」を街中のシネコンで。木村カエラが広島弁喋るんじゃったらこりゃ観んわけにはいかんじゃろーが、みたいなミョーな焦燥感に駆られてしまったりしたので。以下、ちょいネタバレ。

奥田民生の広島市民球場ライブに青春ドラマを絡めた全く新しい音楽映画、てなふれこみで、相当に粗製なB級を想像してたのだが、それを通り越したC級というか、トホホを通り越したダハハ、みたいな。んでも、ある意味、奇跡的に成功してる、ようにも思える作品。

ライブ当日、球場で一発撮りのゲリラ撮影となったドラマ部分、期せずして起こったウエーブに巻き込まれつつフツーに台詞を喋る木村カエラ。これと彼女の暴走ライブが見どころ。

結論:演出と脚本の暴走が、2つのライブの力に抑え込まれた、という意味で真の音楽映画。

蛇足:7回泣きましたが何か。


■もちっともちっと前の休日だか、早く仕事の終わった日だか。本年ご当地映画の第2弾(「横川サスペンス」入れると第3弾)、「ちゃんこ」。予告観て、光るところが一つしかなかったんで、結構しんどい出来を予想してたのだけれど。

相撲部の廃部の危機を留学生と女子部員が救った、広島大学の実話を基にした作品。まあ、目を覆うばかりの下手くそな演技や、狙いを完全に外している仕掛けや、登場人物の動機が描き切れてない脚本の穴にぐぐっと目をつむれば、意外と悪くなかったり。大仰な演出を避けて、少々素人臭くても一生懸命相撲を取ってる姿そのものが「絵」になる、という発見が収穫。


◆んで、長らく更新してない間にもあれこれあったりして、実はちょこちょこ書いたりもしてたのだが、なんだかんだでほったらかしたりしてたので、以下、一部を落ち穂拾い的に。




◆なぜだか36時間ぶっ続けで起きていたわけだが。

そもそもマンガ喫茶で寝るつもりが15時間マンガを読んでしまい、自宅で風呂入って出社してそのまま11時間仕事して、んでそのまま9時間ハシゴしながら飲み続けていたわけで。こんなことしてたら長生きせんわなあと思いつつ、いったいこれから何時間寝てしまうのだろうと怯えつつ、布団に入ったら11時間後にはそれなりにすっきりと目覚めたので、だいたい安心、みたいな。何が。


■某日。仕事が早く終わったんで、久々に街中のK書店。んで、郊外シネコンへ移動してレイトで「鳶がくるりと」。ほとんど期待してなかったけど。

観てる途中で自分が結構、高所恐怖症だったのを思い出したのだが、なるほど、鳶職の物理的な視点というのは、なかなかに映画的なんだなあ、と。観月ありさはコメディエンヌとしてはあまり買わないし、目尻の皺が軽くヤバイ笑顔のアップは少々辛かったりするが、実は隠れヒロインは通山愛里、みたいな。思わず目を引きつける、最近でも出色の「顔力」のある人だな。

ハッタリ過剰な演出は嫌いじゃないし、まあ、ちょいと整理してほしい部分もあれこれあるけれど、意外に拾いモノだったかな、と。

結論:映画館で観るか、まったく観ないか、どちらか系。

蛇足:劇伴が結構よかった。サントラ買おうかなとちょっと思った。


□その他。

新刊マンガを数十冊。50冊くらいな気がする。
小説を3-5冊。新書を4-6冊。評論本を2冊。
マンガ喫茶に数回。150冊くらい、かな。
CDを20-30枚。

印象にそれなりに残ったマンガ新刊もあるし、思い出せれば、その他の落ち穂拾い的な日記もいつか。っていつだよ。

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2005.08.15

リンダリンダリンダリンダ。だらだらだらだら。

■8月6日の広島の朝はなぜいつもカンカン照りなのだろうと例年と同じことを考えつつ出社して、残業を比較的短時間で終わらせて、久しぶりに街中のシネコン。レイトで「リンダリンダリンダ」。つまり9日遅れの日記から。

予備知識ほぼ皆無、劇場でポスターをちらっと見たカンだけで良さげだと判断して初日観劇したのだが、大当たり。(以下出てくる固有名詞等は、すべて観劇後に買ったパンフによる)。ネタバレあり。

どこにでもありそうな高校の文化祭。メンバーの怪我やつまらないケンカで、出演がヤバくなった軽音楽部の女子バンドが、ふと聞いたブルーハーツをコピーして出演することに決める。テキトーに声を掛けた韓国人留学生女子と一緒に3日後のステージに向けて練習を開始する……というお話。

さほど劇的な出来事があるわけでもない。時間がないといっても、ブルーハーツだから、そんなに難しいわけでもない。キーボードの子がギターを弾かざるを得なかったり、韓国人留学生が日本語歌詞を覚えないといけないとか、それなりの苦労はあるにしても。

画面から漂う、かったるさが、いい。バンドやってるからってエキセントリックなわけもないし、女子高生だからって常にきゃいきゃい騒いでるわけでもない。間の持たない会話。白けかけた雰囲気。「等身大」という言葉を安易に使うのは好きじゃないのだが、「作り」の無い彼女たちの姿を、やや引き気味の構図と、不足気味とも思える光量で追い続けるショットの数々。そうだよね、青春の思い出が濃密でまぶしいのは、記憶の中でこざかしく再構成されてるからであって、本当のところ、青春とはスカスカな時間の積み重ねで、だからこそ、ホンの一瞬の輝きがいつまでも残るのだ、と、つい思い出した気にさせる114分間。

事実上のヒロインと言える韓国人留学生ソン役、ペ・ドゥナが素晴らしい。似合わない髪型に似合わない制服に猫背。なのに、立っているだけで観客の目を引きつける存在感。

結論:お約束のラストは、実は無くても構わないし、エンディングロールの一部と思えばちょうどいい。

蛇足:この映画がもしロック映画と言えるのだとしたら、それは脇を固めた2人の現役ミュージシャン、山崎優子の居ずまいと湯川潮音の美声による。

蛇足2:くらもちふさこ先生ご推奨。


◆というわけで次のお休みは、もう一つの上映館であるミニシアター。再観劇の前に、時間潰しと遅い昼食がてら郊外ショッピングモール。

いつものF書店で雑誌1冊とマンガ4冊。CD3枚。メシを食いつつ間瀬元朗『イキガミ』第1巻(小学館)。


■間瀬元朗『イキガミ』、悪くない。以下、設定バレあり。


国民に生命の価値を認識させるという美名と、犯罪発生率低下及びGDP向上という実益のため、全国民に幼少時、1000人に1人の割合で死ぬワクチンを接種している社会、という大胆な設定の人間ドラマ。

運の悪い0.1パーセントの人間に、死は18-24歳の間に確実に訪れる。死の通知は24時間前に役所によって届く。主役は、その通知、通称「イキガミ」を届けられた若者たち。第1巻は2人分の話を収録。思春期に受けた過酷なイジメにいまだにトラウマを持つフリーターや、路上から売れかけたミュージシャンを主役に、なかなか読ませる。

期限を区切られた生をどう生きるか、というのは現代的なテーマとも言えるけれど、設定そのものには、24歳を過ぎればワクチンの魔の手から逃れるわけでホントにGNP向上に役立つのかとか、あれこれ突っ込みたいとこは当然あるわけで、今後、どんな説明と展開があるのか、とりあえず楽しみに待ちたいところ。


以下、もっと過去日記。順不同。


◆たぶん7月下旬の某日。久々に駅前のJ堂。

マンガコーナー、話題本の棚には、こうの史代の現在入手可能な単行本が全巻平積み。新刊の『長い道』(双葉社)は、少女マンガの新刊棚にも陳列。さらに、しりあがり寿『弥次喜多inDeep』全8巻が長らく鎮座していた(はずの)一番目立つ面陳棚も、『長い道』と『夕凪の街 桜の国』が独占。プチ"こうの史代祭り"状態。

『長い道』のほか、『ぴっぴら帳』第1巻もゲット。これでようやっと積ん読状態だった『ぴっぴら帳』完結巻も読める。完結巻がどこへ行ったか既に不明な悪い予感もするが。

本の雑誌社から出た清原なつのの単行本未収録集2巻分、問い合わせたが在庫に無い。残念。どっかで注文するしかないか。


■こうの史代『長い道』は、安直にジャンル分けすると、新婚夫婦を主役にしたほのぼのギャグ。

喧嘩っ早く職を転々とするぐーたら男のもとに、ある日、「親から結婚しろと言われた」と、幼馴染みのほんわか女性がやってきて始まる、ちょっと奇妙な新婚生活。望まぬ結婚生活に浮気とギャンブルを繰り返す夫と、二昔前のテレビドラマのように献身的でありながら、本当に夫に愛情を持ってるかどうかいまいち不明な新妻。ほのぼのドラマでありながら、実は上質なミステリでもある、という奥ゆかしい深さを併せ持つ作品。

過去作品をなんでも結びつけるのもどうかとも思うが、この作品や『こっこさん』などを読むと、やはり、『夕凪』は決して偶然に生まれた傑作ではないことが分かる。日常を捉える独特の視点と、それを効果的に表現する技法を、彼女は着々と磨いてきていたのだ、と思う。


◆その他。近所のシネコン、レイトで「亡国のイージス」(これは昨日)。

阪本監督作品は久々に観る気がするが、そこそこ。「ローレライ」よりはまだいいかな、と。原作小説読んだ方がもっと面白いだろうな、という気がするのは一緒。真田広之は、まあ、さすが。

CD8枚くらい。小説を数冊。新書たぶん1冊。

「アクション」感想は、気が向いたら詳しく。特筆すべき収穫は例によって無し。

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2005.07.26

飛ぶ記憶。だらだらをまとめてもだらだら。

◆今月に入ってほぼ週休2日な感じで残業もせいぜい3時間ていど、という、ありがたいというか当然あるべき姿というか手取り給料激減じゃん、というか。

てわけで前回の日記に書いた日の残りの出来事から書こうと思ったのだが、よーく思い起こすと果たしてその日のことだったかどーかあいまいなわけで。休みがきちんと取れると、いったいさまざまな出来事がどの休みの日のことだったのか分かんなくなってるわけで。きちんきちんと土日に休めているような人たちは、いったいどーやって記憶を制御しているのだろう、とマジで疑問に思ってしまったり。


◆とりあえず。たぶん4日前(連休2日目)、郊外シネコン行って、上映表見たら時間が中途半端なんで周囲で時間つぶしてから、カウンタへ。「かしこまりました、9時5分の回ですね」「いえ、その前の回を」「もう上映開始して30分以上過ぎてますが」。ありゃ、よく見たらシネコン内の時計、1時間遅れてる。おーい。

ケータイ無いし、時計も持たない主義なんで、柱時計だけが頼りなんですけど。勘弁してくれ…。


■とゆーわけで、自宅近くまで戻って別のシネコン。レイトで「フライ、ダディ、フライ」。原作小説は未読。少しだけネタバレ。

岡田准一と堤真一の主演2人が映画雑誌等でやたら露出しまくってる気がするけど、読んでないんで何喋ってるかは知らない。ともかく、岡田准一は悪くないと思うけれど、本編では、ちょいと無駄な露出が目立つような。少なくとも、2度出てくる岡田の「勝利の舞」は1度でいい。

結論:1200円ならまあOKな感じ。

蛇足:敵役のイカれたボクシング部員、ヤバさがいまいち足りないかも。本物の国会議員の息子を使った方が、もっとヤバイ目してて良かったかも、みたいな。


■たぶんその翌日、か、そのまた翌日、くらい。要は最近。仕事帰りに近所のシネコンで「アイランド」。レイト。少しネタバレ。

ニセの記憶を刷り込まれた人々の暮らす共同体から脱出する男女の話。主役2人の「目覚め」に至る経緯はさほどで凝ってなくて、結局は、御都合主義を勢いで強引に押し切る逃走劇がメーン。その部分はそれなりに面白いけど。あれこれ展開できそうなおいしい設定がもったいない系。例えば15歳ていどの社会知識しかもたない表面上オトナの男女、てとこでもっと面白く出来そうな。

結論:ぎりぎり1000円でOK級。


以下、順不同の過去日記。


■たぶん仕事帰りの夕方(休みの日だったかも)、郊外ショッピングモールのF書店で「アクション」15号買って、メシ食いつつ読んでたら江上鴻基『零細リベンジャー』第1巻発売のお知らせが載ってたんで、再びF書店へ引き返して購入。

『零細リベンジャー』第1巻、しかし売る気のいまいち感じられない装幀と帯だなあ。面白いのに。この作品の面白さの一つは、中小企業切り捨てを図る銀行の姑息な手口と、それを巧みに押し切る謎の若いコンサルのやりとりにあるんで、そーゆーとこをもっとオモテに出しゃあいいのに。

長く「アクション」休載中の本作だけれど、第1巻はこれまで掲載された全話収録。いよいよ面白くなるか、ってとこで終わったまま。連載当初はクレジットされてた原作者の名前が単行本では消えてるんで、もしかすると何かトラブルでもあったのかもしんないけど、ともかく、江上は前にも書いたけど化ける可能性のある人材だと思うんで、なんとか連載再開してほしい。


■てことで、「アクション」15、16号まとめて。

16号ではまた巻頭カラーのかざま鋭二&堀井ひろし「AGAINST嵐」。悪かないけど、いまんとこ単行本1-2巻分持つかなあ、という展開。もちっとネタを投下してくんないと、先行き不透明感は否めないかと。

櫻井寛×はやせ淳の新連載「駅弁ひとり旅」、はやせは前作よりは楽しそうに描いてるような気が。これまた悪かないけど、巻末で落ち着く類の話だよねえ。

16号のゲスト読み切り、柏木ハルコ「エンドレス山田」、まあ柏木だねえ、みたいなお話。それにして編集の付けた惹句<渾身のSEX漫画!!>って、どうにかならんのか。

湯浅ヒトシ「耳かきお蝶」はいいねえ。16号で前編の花火師編、これまでと少し趣向を変えていい感じ。後編も楽しみ。

土屋ガロン(狩撫麻礼)×ふんわり「快男子SANIWA」、微妙にいい感じで低空飛行中。狩撫原作は、いつのまにか急上昇したりするし、数少ない希望かも。

こうの史代「さんさん録」、ちょっと動きが出てきた。やっぱ、この人は地味に上手い。


以下、もちっとだらだら。分野別日記、みたいな。ほとんど個人的備忘録。


■レンタル日記。

邦画DVD「オーバードライブ」。三味線を題材にした熱血コメディ系。

  (「スウィングガールズ」+「下妻物語」)÷3

みたいな。主役の柏原収史は(演奏は一部吹き替えあっても)猛特訓してホントに弾いてるし、一流の三味線奏者の演奏も聴けて楽しいけど。何でもあり、のおもちゃ箱的内容は嫌いじゃないけれど、やっぱ整理してくんないと、乗り切れないかな、と。商業映画では事実上初監督らしい筒井武文という人は、能力とセンスがあると思うけれど、持てる能力とセンスをセーブするのも、能力とセンスのうちなんではないかい、と。メイキングの方が本編より面白いかも、というのが最大の問題、かも。

DVD「約三十の嘘」。邦画界の中堅・若手の有力どころが顔を揃えて楽しめるけど。結局、中谷美紀の映画になってる、というのがいいんだか悪いんだか。

DVD「SURVIVE STYLE +5」。劇場で観なくて本当に良かった系。ギャグが楽しめるとこは部分部分ではないわけではないけど、何か言いたげに見えて実のところ何も言ってないに等しい長回しはやめれ。死ぬほど退屈だから。


■レンタル日記2。んで、トートツにむらむらとG3こと「ガメラ3」を観直したくなったんでビデオで。

通称<平成ガメラ>シリーズの最終話であるこの作品には、庵野秀明による長ったらしいメイキングがあって、ある意味必見な珍作なのだが。珍作、というのは、シリーズ通してのヒロイン(の1人)である中山忍が確かワンカットしか出てこないのに、藤谷文子がやたら出てくる、というようなことではなくて。庵野が、まあ情け容赦なく、製作陣に「失敗作」と認めるよう執拗に迫ってるから。結局、監督の金子修介が折れて、音声収録しないという条件(らしい)で、「何か」を喋ってるシーンが流れる、という。

まあ、G3は、ありていに言うと、金子修介監督作品としては失敗であり、樋口真嗣特技監督作品としては成功、というイビツな作品なのだけれど。まあ、ごちゃごちゃ言わずとも、怪獣のオソロシサでなく、神々しさを描いた、という点で大好き。むろん、前田愛が、女優人生でおそらく最高にして最後の輝きを見せる、という点でも。

んで何か止まらなくなったんで、G2もレンタル。あぁ、ここでは水野美紀がヒロインだったのか、すっかり忘れてた。んで結局G1もレンタル。遡ってどうする、みたいな。平成ガメラはシリーズが進むごとに、特撮も含めたスケールが拡大するのだけれど、個人的にはG1が一番好き。吊り橋をかすめるギャオスのコンマ数秒のショット、そして藤谷文子の「来た…」。くぁー、たまらん。極めて個人的に、この2シーンにこそ、ニッポン怪獣特撮映画の全てがある、と思う。


■マンガ日記。少し。

マンガ喫茶へ数回。

全62巻で完結した木内一雅×渡辺潤『代紋TAKE2』、作中でさんざん予告してたラストの一種のどんでん返し、筒井風(つか押井風)かなーと漠然と予測してたら、由緒正しい百億千億オチ。まあ、いいんじゃないっすか。『ぼくの地球を守って』の続編(つか「次世代編」と銘打ってる)日渡早紀の『ボクを包む月の光』第1巻、むー、この漂いまくる"やっちまった感"が何とも。あと50冊くらい読んだと思うけど、記憶の彼方。

新刊のまとめ購入数回。

手塚治虫×浦沢直樹『PLUTO』第2巻は、ラストできっちりとお約束をカマしてくれるとこがさすが浦沢、というか。ヒグチアサ『おおきく振りかぶって』第4巻、まだまだ面白いんだけど、登場人物の増加に伴ってキャラの区別がだんだん付きにくくなってきたような。ここらへんは水島新司御大をみならってほしいものだ、とか。あと20-30冊くらい買って読んだと思うけど、記憶の彼方。


■小説日記。たまには。

連休の前日夜から村上龍「半島を出よ」上下巻を睡眠はさんで一気読みしたら、なんか止まらなくなったんで、数ヶ月積ん読状態の小説本を探したら例によって部屋内で見つからないわけで、しょうがないので数年積ん読状態だったら書店で文庫化されてしまったのを見つけてあれあれ状態だった別の小説一冊持って外食。

帰宅して残りを読了してテレビの天気予報観てたら「明日は嵐の恐れ」とか言ってて、自宅内に閉じこめられたらどーしよーとかつい恐怖に襲われたので、近所のF書店へ急いで出掛けて、気になってた比較的最近の小説ハードカバー4冊購入。んで結局嵐は来なかったんで翌日またハードカバー3冊。とりあえず6冊一気に読み通したら、少し活字酔い。

「半島を出よ」の個人的な見どころ(読みどころ)は、かつて「五分後の世界」シリーズで「理想」を信じ「大義」に殉じる架空の日本人コマンドを描いた村上龍が、「思想」を信じ「首領同志」に殉じる北朝鮮コマンドをどう描くか、だったのだが。日本に上陸した彼らが、「堕落」した日本人を心底見下す、というのはリアルな感じがするけれど、彼らの「覚醒」の訪れ方は……うーん。村上本人が後書きで認めてるとおり、それを本当にリアルに描くのは難しいわけで。

その他いくつか。恩田陸「夜のピクニック」、登場人物のキャラと人間関係の設定が、やや古典的な王道学園少女マンガにあまりに忠実であるのに少々驚く。陰と陽のモテ男子親友コンビに、意外にさばけて積極的な和風お嬢様、自分以外目に入らないワガママ美少女、おちゃらけええ加減だけど結構味のある男子などなど。萌えにもやおいにも対応の全天候型(異)みたいな。演出力に長けた少女マンガ家の作品で読んでみたい感。

三崎亜記「となり町戦争」、いままでと変わりない淡々とした日常の隣で行われている戦争、という舞台設定といえば、福山庸治の秀逸な連作短編「西武沿線異常なし」が描かれてからもう20年余り経つんだなあ、とついしみじみ。島本理生「ナラタージュ」、終盤の展開と締めはとてもいいな。なんか、出てくる男たちのダメっぶり(及びそれに惚れる主人公)への批判もあるみたいだけれど、一見オトナな男子大学生のガキっぶりが素敵。「ダメ」でも女に惚れられる権利はあるわけで。惚れられる能力と運があるかどうかは別として。ようやっと読了の「ダヴィンチ・コード」上下巻、半分のとこでネタが分かってしまったのは、美術や宗教の知識があるわけでなく、前にここでも少し触れたアレをたまたま既に読んでたから。まあ面白かったからいいけど。この手のネタは、比較的無宗教傾向の強い日本の方が結構思い切ったことが描けるのかもしんないな、とか。


□えーかげんだらだら長いんで、ここまで読み通した人は例によってほとんどいないと思われるが、長らく更新してない分、あれこれ書いとかないと何か気持ちが落ち着かないわけで、つか、こんなにまとめて書くんなら、ちょこちょこ更新しろよとかいう極めて正論な声も(主に脳内から)聞こえてくるが。

ともかく、しばらく更新してない間に、たぶん、9万アクセス突破。サイドバーだけでも、少しいじりたいのだけれど。

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2005.07.06

「宇宙戦争」「逆境ナイン」

◆夕方ふらふらと郊外シネコンに出掛けたら、やたらめったら混んでて、もしかして今日は週末なのか、と初めて気付く休日の土曜日。つまり4日遅れの日記。

駐車場からの出庫に大変時間がかかっておりますと場内アナウンスが繰り返されてるわけで、あの出庫待ちというのが大嫌いなので、レイトを観て帰ることにする。一番早い「宇宙戦争」。

上映まで2時間余り時間があるので、飯を食いつつ何か読んで時間をつぶさねばならんわけで、下のF書店。雑誌2冊選んで、まだ足りんなあ、単行本も買うかな、と広い店内をうろうろと歩き回っているとどんどん時間は過ぎてしまい、結局歌集と評論本を選んでレジに持っていった時点では、既に全てを読めるほどの残り時間はありゃしない、といういつものパターン。

「宇宙戦争」、メチャ混み。久々に、両隣に人がいる、という環境で観劇。


■「宇宙戦争」。予告観て、ちっとも面白そうに思えなかったのだが、もしかするといい意味で期待を裏切られるかも、とかすかな逆期待を抱いてたのだが。期待は裏切られなかった。という意味では期待通りだった。地味な映画だなあ……。

地味、というのはもちろん物語の骨格のお話。これなら「マイノリティ・レポート」の方がよほど派手だったような。

予告だかポスターだかの惹句に「人類はその勇気を試される」てな惹句があったけれど、試されてるのは主役の家族3人だけ、みたいな。むろん、「大嵐の中の小舟一隻」を描く、という手法は勿論それはそれでアリだと思うけれど、それに、こんだけ大金かける必要があるのかねえ。

同じ土俵で比べるのもアレだが、「大嵐の中の小舟群」を描いた作品として、邦画の怪作「大怪獣東京に現る」をつい思い出した。製作費用は二桁か三桁違うだろうし、「小舟」描写で精一杯で「大嵐」の実態なんぞまるで描かれてないけれど、例えば自宅の居間でテレビニュースを観ながら絶叫する主婦の描写は秀逸だった。少なくともオープニングとエンディングは、こっちの方が全然印象に残ってるけれど。


結論:でかいスクリーンで観るか、携帯型DVDプレーヤーで観るか、どっちかしか無い作品。中途半端な大型テレビ画面で観るのが一番意味無い、きっと。

蛇足:ダコタ・ファニング、熱演すぎ。異星人の造形はじきに綺麗さっぱり忘れ去るだろうが、彼女の金切り声は、しばらく悪夢に出てきそうだ。


■翌日曜日。仕事帰りに再びシネコンで「逆境ナイン」。予告観て、つかその前に原作者島本和彦の『吼えよペン』で裏話的(もちろん脚色あり)マンガを読んでて、一種のいやーんな不安を拭い去れなかったのだが、もしかするといい意味で不安は裏切られるかも、というかすかな逆期待を抱いていたのだが。不安は裏切られなかった。つまり安心(違)。

熱血バカ系作品としては、近年「少林サッカー」「カンフーハッスル」という前例があって、どうしてもそれらと比べてしまうわけで、その意味ではしんどいだろうなあ、と思ってたのだけれど、とにもかくにも最初から最後までテンション高く、CGも駆使しつつ、熱さは維持。けれど、やっぱ緩急がない一本調子だと少々しんどい……ということを、おそらく「緩」の部分でつい寝てしまってたワタシが言ってもイマイチ説得力がないわけだが。

島本作品の魅力は、「熱血」の根拠が、明快なようでいて実はあいまいであり、そのあいまいさをイキオイで押し切ってしまう強引極まりない説得力にあるのであって、実のところ、それは相当に観念的な世界だ。これを映像化するには"原作の忠実な再現"ではなし得ない。


結論1:「熱」はある。足りないのはきっと「血」だ。

結論2:それはそれ。これはこれ。

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2005.06.24

「アクション」14号、「バットマン・ビギンズ」、『並木橋通りアオバ自転車店』1-14巻

■あれこれそれなりにあった(はずの)割に久しぶりの更新な気もするが、とりあえず「アクション」14号。なんかだんだんどーでもよくなってきたような。

巻頭カラーは、復刊一周年記念新連載第5弾、浜田正則×おおつぼマキ「ギャル雀ロード」。一コマ目から裸。はあ。続いて、表紙も飾った国友やすゆき「新・幸せの時間」。絵に描いたような幸せ家族の崩壊序曲、お話はなかなか進展しないかわりにエロは濃厚めに。ふう。

さそうあきら「コドモのコドモ」、取って付けた感の漂う最終回。うーん。「神童」のときも、せめて後一回分話がほしかったかなあ、という終わり方だったのだが。まあ、今作は、中途半端に数回増やすよりは、ここまですっきり行く方がマシかもしんないが。単行本化での加筆をそこはかとなく期待しつつ。つか、ともかく、連載中断で単行本で完結予定の「マエストロ」の仕上げに期待。次作が「マエストロ」の続きでも個人的には全然構わないわけだが。

拉致モノ「めぐみ」も次回で最終回。読むもの減るなあ。次号予告みても江上鴻基「零細リベンジャー」載ってないしさ。新顔では、渡辺電機(株)「マリマリゾンビ」、川島よしお「いってらっしゃい」のギャグ陣は結構好きなのだけれど、なんか、毎号買うのもそろそろどーか、てな感もしてくるわけで。谷口ジロー「シートン」と郷田マモラ「モリのアサガオ」と こうの史代「さんさん録」の受け皿として、潰れない程度になんとか続いていただければもう結構、みたいな。


■休みなんで髪切ってから近所のシネコンで「バットマン・ビギンズ」。ほかにレイトの時間が合うものが無かっただけだが。

シリーズはこれまで2作しか観てないはずだが、相変わらず暗いねえ。バットカー(だっけ?)をはじめとするさまざまなギミックのルーツが分かる、という点では、フリークには楽しめるのかもしんないが。ゲイリー・オールドマンはいいな。あと、ケイティ・ホームズの歪んだ笑顔は個人的な最大の見どころ。

観劇前のメシの友に、たまたまアメリカに関する新書を読んでたのだけれど、この作品も、「スパイダーマン」同様、「正義」に関する自問が出てくる。「正義を為すこととは何か。自分にその資格があるのか」と本質的に問うヒーローが広く受け入れられる土壌と、国際社会で行う「正義」を無条件に(と見える)支持する心性は、一体どーつながるのか、などとつらつらと。

結論:「前史」的作品としては、「リング0」の方がいいな。つかジャンル違うもん比べてもどうよ、て感じだが。

蛇足:モーガン・フリーマンの笑顔はどうも飽きる。あと、渡辺謙が出る必然性が以下略。


◆唐突な昔話だが、高校時代のほぼ半分は、自転車通学だった。半分、というのは、数回事故って、けがが治る間バス通学を挟んだから。自宅から、繁華街を突っ切って学校までの10キロ。

途中で自転車を買い換えて、その初日、「おぉ、新車はやっぱスピードが出るぜ」とか興奮しながら、10キロを21分という世界新記録を作った。この記録は今に至るまで破られていない。つか、当時の自宅から学校まで自転車で通った人はワタシ以外にいないので破りようがないわけだが。

平均時速にすれば30キロ以下だが、団地を抜けて基幹道路に出るまで結構な田舎道と上り下りと距離があったので、基幹道路では実際は少なくとも時速50キロ以上でぶっ飛ばしていた。世界記録(異)をマークした日は、バイクを3台抜いたのを覚えている。つか、車と車の間に割り込みまくりながら、全速力で市内最大の交差点に赤信号ギリギリで突っ込んでいたわけで、当時の自分に「お前は死ぬ気か」とか突っ込みたくなってしまうわけだが、もう遅い(何が)。

というわけで(何が)、先の休日、早めの夕食を近場で取るべえとふらふら近所を歩いてたら、狭い路地沿いに小さな自転車屋があって、自転車がほしいなあ、と思ったのだが、さび付いた店頭品を見たらその気が失せたのだが。ふっと、以前マンガ喫茶で途中まで読んだ宮尾岳『並木橋通りアオバ自転車店』を読みたくなったので、近所のF書店で1-7巻を購入。その後、最新の14巻まで購入。

以上、ほとんどどーでもいい長めの前振り。


■宮尾岳『並木橋通りアオバ自転車店』(少年画報社)1-14巻は、その名の通り、小さな商店街の一角にある自転車店が舞台。

小学生の娘にプレゼントするために、ほとんど自力で古いフランス製自転車を再生、組み立ててしまったほどの自転車好きである宮尾が、編集者の薦めで、そのエピソードをマンガ化。それが好評を博したことがきっかけで始まった連作短編集。

数十万円するオーダーメイド自転車を作る工房でもあり、近所の人を相手に安価なメーカー品も提供する小さな自転車店。そこには、優しくて腕のいい誠実な職人である父親と、元気いっぱいの自転車大好き娘がいる。さまざまな自転車を題材にした人情話。

本格的なロードレーサーからママチャリまで、題材となる自転車はさまざまだが、胸にじわり染みこむのは、そこに、「身体の経験」に訴えるものがあるからだろう。遠心力を身体全体で感じながら車体を倒して猛スピードでカーブを曲がる快感、身体をきしませながら急な斜面を登りきったときの達成感、そしてどこまでも続く真っ直ぐな道で風を切ってペダルを踏み込む加速感。

物語当初は出てこない母親の話は、徐々に明らかになるのだけれど、ほとんどの単行本の最終話に入るように配置された、前史的な過去話がまたじんわりといい。なにより、読んでると自転車に乗りたくてたまらなくなってしまう作品。久々に自転車買おうかなあ…。

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2005.06.10

「電車男」とか「マンガの道」とか

◆休日なんで映画でも、しかし正規料金払ってまで観たいもんも特にないし、そいえば無料観劇ポイント貯まったカードがあったはずだと財布を漁ったら、5月末で期限切れだったり。ちっ。

てことで例によってレイト。一番早いレイトを検索して、郊外シネコンで「電車男」。


■「電車男」、なんで客席がカポー&女性客だらけですか、というツッコミはおいといて。終劇直後、すれ違った2人連れの女性の方が「あんな男ならオタクでも好きかも」とか言ってたので、成功なのかも。以下、ネタバレあり。

まあ根本的な部分から小さな部分まで約137ヶ所くらいの突っ込みどころはあるわけだが、後半からは、ほぼ映画オリジナルな展開になってきたので、だいたい安心して観られた、みたいな。

電車男というものの、「新しさ」と「面白さ」の重要部分を確信犯的に端折りまくって、すっきりした内容になってる。山田孝之の熱演ぶりが、どれほど「アキバチャソ」の実像を反映してるのかは、記憶によれば都合3度しかアキバに行ったことがない自分にはよく分かんないが、もしかすると邦画史上に残るのかもしれない情けない告白シーンは、あれはあれで良かったかな、と。

ネットを通じた恋愛を描いた映画と言えば森田芳光監督の「ハル」があるわけだが、とかいう古くさい話題を振るのもアレだが。「ハル」は、「画面」とともに「画面の向こう側のリアル」を巧みに描くことで成功したと思うのだけれども、「電車男」の場合は、画面の「もうひとつの向こう側のリアル」をどう描くか(或いは描かないか)が問われたわけで。

マンガ版も4作中3作を読んだけれど、いずれももう一つの向こう側、つまり「名無しさんの群れの実態」を「創作」する、という、まあ誰でも思いつきそうな手法で、作品に推進力を与えている。映画版でもその点では同じなので、家庭内別居中の夫婦が実はともに当該スレで書き込んでる、なんて設定も付け加えてて、悪くはない(当該スレッドに漂った「腐臭」は、もちろんほとんど無視されてるけれど)。ただ、顔の見えない彼らを一切描かない、ということで今のリアルを浮かび上がらせる、という、ちょい冒険的な選択肢もあったんじゃないかなあ、ともつい思ってしまうが。


結論:最初から70点を狙って作られた70点の作品。これはこれでプロの仕事だと思った。

蛇足:中谷美紀の肌の張りの無さが、リアルだった。(これも一つの「狙い」で彼女を起用したのだとしたら、製作陣を尊敬するけれど)


■観劇前は、例によって下のF書店。

遅ればせながら、一線のマンガ家11人のインタビュー集「マンガの道」(ロッキング・オン)。東周斎雅楽×芳崎せいむ『テレキネシス』第1巻(小学館)。あとバーゲンブックフェアで、近藤ようこ『猫っかぶりゼネレーション』全2巻(青林堂)。

メシ食いつつ「マンガの道」。世代の似通ったマンガ家が多く、マンガ体験もそれなりに似てたりするので面白い。吉田戦車の若い時分のマンガ遍歴が、あまりに自分と一緒なんでちょいびっくり(同じマンガ読んでても、才能が似通うわけではないのだなあなどと当たり前のことをあらためて実感したり)。矢沢あいの、「王道」と「売れるための戦略」への自覚ぶりに感心。そう、彼女の出世作『天使なんかじゃない』が好きになれないのは、その「あざとさ」がナマ煮えな感じで出ちゃってるから。『NANA』のあざとさは一級品なんだけれど。

観劇後、CD2枚。帰宅。

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2005.06.08

頭痛。「アクション」13号とか

◆深夜、職場で、日付が変わったあたりから頭痛が痛くてたまらないという馬から落馬系の苦しみに襲われたので、仮眠室のベッドに倒れ込んで目覚めたら午前3時。

ベッド這い出して車に何とか乗り込んで、いつものコンビニで「アクション」最新号とおでん買って帰宅。と、いうのが1日前だっかか2日前だったか、既に記憶あいまいなわけだが。


■「アクション」13号。表紙にはまあでかい字で「新連載!! かざま鋭二」。以前に郷力也で「ゴラク」と勘違いさせたんで、今度はビッグコミックオリジナルあたりと勘違いさせようという作戦ですか。と、まあベタなツッコミは置いといて。

そのかざま鋭二の「AGAINST嵐」、さすがに手練れ、第1回目は安心して読める。それ以上でもそれ以下でも無し。

前号から連載開始の中島かずき×赤名修「闇鍵師」は、ご挨拶代わりの第1話に続き、今度は前後編の前編。それなりのテンション維持。

期待の武富健治「鈴木先生」後編は、謎解き編。なるほどねえ、ぶっちゃけ、後から読み返せば露骨に解答は示されてるけれど、私にゃまったく「真相」が読めませんでした。再登場に期待。

いよいよ本筋の展開に入ってきた郷田マモラ「モリのアサガオ」は、じわりじわり。

ギャグ系、川島よしお「いってらっしゃい」、キャラ豊富で結構楽しい。細井ちえ「DOZO!ミサキちゃん」それなりに楽しい。

お決まりの巻末、こうの史代「さんさん録」は、珍しく主人公参さん出ずっぱりなお話。もちろん可愛げない孫娘・乃菜はしっかり出ているのであった。そして欄外のお知らせで、「長い道」が新刊で刊行のお知らせ。おぉ、7月28日が待ち遠しい。


次号予告。表紙は国友やすゆき「新・幸せの時間」。ふーん。3回連載の黒藤広隆「戦国BASARA」は監修・カプコンって…。江上鴻基「零細リベンジャー」の名前がまたしても無い。これから面白くなりそう、てとこで終わったまんま。なんかあったのかね。むー。次号の次号予告にも名前がなかったら、もう買うの止めようかな…。


□上條敦士『SEX』の感想はまだ。その他、書きたいことはそれなりにあるのだけれど、そこまでの余裕と元気は無し。つか、『PLUTO』第2巻もまだ読んでない。つか、これから寝て起きたら、休日なのに仕事絡みの飲み。なーんか、激しく乱れてしまうような予感。

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2005.06.03

Shall We Rest?

◆なーんか、妙に激しくムカついている日々なわけだが。んなにムカツクような大事があるのかといえば、そうでも(たぶん)ないわけで。

ちょいムカッと系な話はそりゃ日々生きてればあれこれあるわけで、それが積もり積もって…というよりも、ちょっとしたムカッを抑え込む耐性が薄れてるのかなあ、と。要は俗にいう疲れてる、という状態であるだけの話のような。

休みはそれなりに取れるようになってきて自分自身にお慶び申し上げます的な感じなのだけれど、休みになればつい、眠さと疲れを抑え込んで映画観たり本読んだりしてしまうわけで、慢性的な疲労がちっとも取れない罠。

愚痴終了。


◆というわけで連休の最終日。

つか、連休初日は会議で出社、そのまま半日仕事してるのは何故なんだか、みたいな話は、既に愚痴終了してるんでしないが(してるが)、夕方から街中に出掛けて、久々にタワレコ→書店Lのコース。

書店L、マンガコーナーが微妙に狭くなってるのは何故。どの書店にもありそうな「青年新刊」コーナーがまだ残ってる。んー。まあ、手塚治虫×浦沢直樹『PLUTO』第2巻の豪華版が残ってたのは、さすが、ということにしておこう。購入。

後は、買いそびれてた羽羽生純『青』(エンターブレイン)4-5巻と、谷口ジロー『シートン』(原案:今泉吉晴、双葉社)第1巻。ついでに押井守×森山ゆうじ『とどのつまり(新装版)』(徳間書店)。これで、5000円以上購入するというこの書店での縛り、かろうじてクリア。


■帰宅途中に自宅近所のシネコン。『Shall We Dance』。

元作(日本版)のアメリカ公開時のあれこれについては、周防正行監督の著書に詳しいけれど、基本的には良くできた元作の持ち味を生かしてるのだから、まあそれなりに良くできてて当然、みたいな。ただ、周防版では、公開にあたり、冒頭に日本の夫婦関係について長々と注釈のテロップが流れた、というエピソードからも分かるとおり、リメイク版は主人公の「動機と背景」の部分をかなり根本的に変えていて、そこに共感できるかどうか、と問われれば、うーん微妙、みたいな。

結論:自分を「勝ち組」と思う人(或いはそう勘違いしてる人)は周防版よりこっちの方が楽しい(或いは楽しいと勘違いできる)かも。

蛇足:竹中直人をそのまま使う、という選択肢はなかったのか、とちょっと思った。

蛇足2:周防版をなんだか無性に観直したくなった。


■帰宅して押井守×森山ゆうじ『とどのつまり』。

まあ、いつものアレ、という感想は過去作品でも変わらないわけだが。押井という人は、深化はしても進化はしないのだなあ、などと。

羽羽生純『青』の感想はいつか気が向いたら。『PLUTO』『シートン』は、とりあえず積ん読。


以上、昨日の日記。以下、日付不詳の過去。


■近所と郊外のF書店へ計3度。書店を覗く機会がやっぱかなり減ってるんで、行くたびに、あらこれも出てたのね的な新刊があれこれあって困るわけだが。

某日。柳沼行『ふたつのスピカ』第8巻(メディアファクトリー)などマンガ3冊。残り2冊は何だったか、既に忘れてますが何か。


某日。突然の描き下ろし新刊攻勢で一気に完結してしまった上條敦士『SEX』全7巻(小学館)その他。その他はもちろん、何だったか既に忘れてますが何か。

某日。くらもちふさこ『月のパルス』最終第2巻(集英社)と、真刈信二×赤名修『勇午』の日本編2冊。


■くらもちふさこ『月のパルス』、完結により1巻より読み返す。以下ネタバレあり。

くらもちにしては珍しくオカルトタッチな話だったけれど、それは基本的には道具立てだったのね、やはり。きれいに終わった。それにしても、主人公(あるいは主役級の登場人物)の失恋で終わる、という話は、いつごろから描き始めてたかなあ、と、ふと。

主要登場人物はみな、高校生。彼女の描く高校生が、どれくらい今の現実の彼らを的確に描写してるのかは正直分からないし、今の高校生が今作を読んでどう感想を持つのかはさらに分からないのだけれど、ただ、「ああ、きっとこんな感じなんだろう」と、つい納得させてしまう力量はさすがだと思う。言葉遣いや、ケータイの使い方といった"風俗"の描き方も含めて。てな話はともかく、思春期に持つどうしようもない"思い"は、たぶんきっと変わらない本質を持つのだろう、と、そう思わせるだけの説得力がある。

ラスト4コマ、素晴らしい。至福。


□上條敦士『SEX』については、時間と余力と気力その他があれば、次の機会にでも。「ミリオン・ダラー・ベイビー」についても。あと日記タイトルのベタさについてはいつものことなので気にしないでさらっと忘れていただく方向で。あ、いつも気にしてませんかそうですかそうですね。

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2005.05.29

「ヒナゴン」とか空手形予告変とか「アクション」12号

■近所のシネコン、レイトで「ヒナゴン」。地元先行上映。

地元で一定以上の年齢の人なら知らない人は殆どいない、かつてのヒバゴン騒動をモチーフにしたお話。つか、顔見知り(素人)が出演してたんで。重松清の原作小説は未読。

はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、みたいな。前半はかったるく、中盤は結構いいけど、終盤またダレる。リズムっつうかテンポがなあ…。顔見知りの出演は、数秒だけど台詞も演技もちゃんとあって、まっとうだったんでちょい感動。まるで本物の売れない女優みたいだったよ、と今度会ったら褒めちぎっておこう。

主演(男)の伊原剛史、まあ何とかまずまず。主演(女)井川遥、うーん、下手っつーか何つーか、輝きがないなあ、と。助演(男)柳家花緑、いい、さすが真打ち。チョイ役では原作者の重松清、うんうん、ここらへんに沢山いるよね、ああいうコワイおっさん。

結論:小説を読んだ方がいい、たぶん。

蛇足:付け加えるほどのものはなし。


■2本続けて邦画観たんで、邦画系の予告もかなり観た。てことで、久々に空手形予告変。マンガ原作系。

▽「タッチ」。この捻りのない予告を観て、どう期待しろと。それにしてもなぜ今さら、というのはそれこそ今さらなんで(TVドラマ化もされたし)おいといて、長澤まさみはまあ分かるとしてなぜ監督に犬童一心。むー。もしかすると、犬童監督は、あの「伝説の水曜日」を実体験してるのかな。だとすれば、少しだけ期待するが。捻りの無さの背後に、何かしら良からぬ企みがあればいいのだけれど。

▽「NANA」。この捻りのない予告を観て、どう期待しろと。捻りの無さの背後に、何かしら良からぬ企みが……ありそうもないわな、これは。原作の白眉は、いまだに本編第4話(単行本第2巻)のラストだと思っているのだが、当然映画でも描かれるであろうそのシーンだけでも気合い入れてほしいものだが…。あそこのポイントは「月」だ、ということを関係者は分かってるのかなー。

▽「電車男」。この中途半端な捻りの予告を観て、どう期待しろと。_| ̄|○ポーズを実際に人にやらせてるとこと、何よりエルメス役に本当に中谷美紀を起用してしまったあたりに、無理矢理好意的に捉えると、ある種の邪悪さは感じるのだけれど、つっても、一定以上のヒットが期待されてるし、純愛の枠に当てはめなきゃならんというつまらん制約があるだろうし、期待薄だよなあ。表面的な電車男ブームをぶっ壊すくらいの意気込みを超無理矢理に期待。

▽「ALWAYS 三丁目の夕日」。この衒い抜きの直球ぶりは清々しさを覚えるほどだが。しかし山崎貴監督で、こっちの路線かー。昭和も既にSFの世界、ということですか、ある意味。手持ちの情報はほとんどないんでカンだけだが、「黄泉がえり」系のロングランヒットになると予想。


■超遅ればせだが、「アクション」12号。復刊一周年の新連載攻勢、今巻は中島かずき原作・赤名修作画「闇鍵師」。しかし表紙、赤名修と中島かずきの字の大きさの違いはどうよ、と。まあ正しいのだろうが。

「闇鍵師」第1話、いいですな。大きく捻って最後に小捻り、というオーソドックスな展開。妖魔モノの世界を、きっちり見せる赤名修の画力の勝利。赤名の絵は艶っぽいと思う。表情の描き方は、ちとワンパターンな感もあるけれど。

2番手は国友やすゆき「新・幸せの時間」。ドロドロベタベタな三角関係を予感させつつ、そっちの進展はさておいて四角関係を予感させる新キャラの登場。さすがというか何というか。ドロドロドロベタベタベタ。

前編掲載のゲスト、武富健治「鈴木先生」、かなりいい感じ。どこにでもありそうな中学校を舞台に、マジメだった男子生徒が突然、ちょっとした奇行に走って嫌われ者になる、という"事件"を、担任教師が懸命に推理する、というお話。「日常の謎」系ミステリの暗めバージョンの趣。後編にかなり期待。


次号。かざま鋭二新連載は、まあ第1話はそれなりだろう、と。「鈴木先生」後編以外では、おざわゆうじ2度目の登場が楽しみかな、と。それにしても、江上鴻基「零細リベンジャー」は、なぜまだ載らんのか。

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2005.05.22

舟板の下とか真下とか。あと「ピアノの森」

◆某日。久々の休日。久々にレイトでも、と近所のシネコンへ出かけて、とりあえずメシ食ってたら、メシの友に書店でテキトーに買った新書本が面白くて、ふーん、北朝鮮の派閥ってのはこうなってんのかー、とか、つい読みふけってたら上映に間に合わず。何やってんだか。

翌某日。早めに仕事終わったんで、今度こそレイトでも、と取りあえず時間潰しにいつものマンガ喫茶寄って、「モーニング」過去数号まとめ読みとかしてたら、上映に間に合わず。何やってんだか。


以上、日付も覚えてない過去日記。


■「モーニング」は、2年半(以上)ぶりにめでたく連載再開の一色まこと『ピアノの森』を3話分、一気読み。その後の某日(いつ)読んだ第4話も含めてちょっと感想。

いい意味で"一見さんは置いてけぼり"な、いい感じでスタート。まあ、空いた長い日数などまるでなかったかのように、スッと始まってる。主人公のカイでなく、ライバルでもなく、過去連載ではチョイ役に近かった便所姫とか周辺のオトナたちとかを軸に物語を転がし始めて。テンションは下がってないようで、今後も楽しみ。


■某日。また近所のシネコン。今度は時間オーバーしないように、近くのメシ屋に雑誌だけ持って入って、早々に引き上げて、レイトで「交渉人 真下正義」。以下、少しネタバレ。

最初の1時間はかなり面白い。東京の地下鉄、というものの、"板子一枚、下は地獄"(ってこの表現でよかったっけ)な危うさをうまく生かしつつ、見せる。パニックものとして一級品だと思う。

まあ、その後は、物語の構成として、「急」の合間に「緩」が必須なのは分かるのだけれど、ちょっと緩み過ぎなような。人の命がかかってる緊迫感が最後まで持続し切れない、みたいな。

あと極めて個人的には、「線引き屋」さんの、具体的な仕事の内実とか、ちらりとでも見せて欲しかったかな。かつて、猪瀬直樹がロングインタビューした、旧国鉄の線引き屋の話、面白かったもんなあ。伊豆だかどっかだかへ、全国から線引き屋が集合して、温泉旅館で一晩中、あーだこーだとケンカしながら、全国のダイヤを決めていた、とかいう。「てめぇ、そこは乗り継ぎ3分に縮めて、客にちょいと走ってもらやあ何とかなるだろうが。譲れよ」、みたいな世界。(昔読んだ記憶で書いてるんで、事実関係あいまいだが。「Studio Voice」の連載じゃなかったかなー)

元ネタ系は、P1がらみは分かったけれど、まあアレですな。本広監督の「押井愛」は例によってひしひしと伝わったけれど、カラスはちょっとしつこすぎかな、と。アレ系ウイルスなネタは、まあ他にも先行作品があれこれあるんでまあいいとしても。

評価:今年観た邦画では2番目に良かった。

理由:2本しか観てないから。

蛇足:國村隼マニアは必見。


以上、とりあえず思い出せたその他の過去日記。なんかずいぶん久々な更新の気もするが。

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2005.05.06

「アクション」11号とか

■というわけで、しばらく本屋にもろくに行けなかった間に、浦沢直樹×手塚治虫『PLUTO』第2巻は出てるわ、しかも豪華版